本とかコンピュータとか

10000冊プロジェクトに参加するため、ブログを立ち上げました。読んだ本の感想とか、つらつらあげます。

書評その6:「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
著者:村上春樹
発行日:
評価:★★★☆☆
所要時間:5時間
読破冊数: 6/100冊


■こんな人におすすめ
・モヤモヤしたい
村上春樹が好き
・とにかく活字に飢えている


■概要
村上春樹の作品は昔「ノルウェイの森」を読んだときに「よくわからん」という印象を抱いてから今までずっと読んでませんでした。
登場人物のお洒落過ぎる趣味は目をつぶるとしても、文章にクセがあるから慣れてないとなんかへんな気分になるし、展開もスッキリするようなもんでもない。でも言葉の使い方が巧みで次にはどんな文章になるのか気になって読み進めちゃう。でも話はなんかモヤモヤする。

今回、この作品を読み始めた時、普通にミステリーっぽい感じがしたのでストレートに楽しめると思ったんですよ。
実際物語の中盤に主人公の追っていた謎が一つ解明されるけど、そこで衝撃的な事実と新たな謎がでてくる展開なんかはミステリー系の小説っぽいし面白いと思ったんですよ。
世間の評判聞いてて、そんなことしない作家だってわかっててもラストですべての謎が解明されるのを期待しちゃったんですよ。

でも謎の解明も主人公の恋の行方(失恋をにおわせる描写はあるけど)も読者の解釈に任せちゃう。置いてきぼりにされた感がすごかった。
ネットを検索すれば死ぬほど考察はあるし、自分で読み解きなさいということなんだろうけど。。。

うーん、村上作品をもっと読めば魅力がわかるんでしょうか。。。考察をあれこれめぐらすのが正しい楽しみかたなんでしょうか。。。
わからん。。。もう全然わからん。。。


■この本から学んだこと
・わからん。助けてハルキスト。


≪目次≫
省略

書評その5:「思想としてのパソコン」

『思想としてのパソコン』
著者:西垣通(編訳&序文&後書き)
発行日:1997/5/20
評価:★★★★☆
所要時間:10時間
読破冊数: 5/100冊

■こんな人におすすめ
・パソコンがマイコンと呼ばれた時代を生きた先輩方
・コンピュータが出たばかりの頃、研究者たちがどんな未来を描いていたか、気になる
コンピュータサイエンスを研究しようとしている人


■概要
まず、この本は論文集なので学術的な話が嫌いな人にはおすすめできません。
だけど、学術としてのコンピュータサイエンスに興味がある人や、論文の文章にある程度耐性のある人にはものすごくおすすめです。

この本で収録されているのは、ヒトとコンピュータとの関係を研究する上での「キーマン」と著者が呼ぶ7人の研究者たちの論文。
どれもすごいです。いずれの論文も現在のIT技術の問題を語っているんですが、何がすごいって今ほど情報技術が発達してなかった頃にまだ実現してもいないものに対して利点と問題点を提示し、ヒトがそれにどう関わっていくかを真剣に考えていたんです。ものすごい想像力じゃないですか。

例えば1章で紹介されているブッシュ(大統領ではない)の論文は未来の研究者の姿について、「動き回り観察しながら、写真をとり、注釈を述べる。写真と注釈とを結合するために時刻が自動的に記録される。~」
と言ってます。これって今スマホで実現可能なことだと思うんです。しかも、ブッシュが提唱する文書管理装置「メメックス」の構想はハイパーテキストという概念の先駆けとなるんですが、インプットした文書の検索やタグ付けなどの機能を一つの装置がもつ、というイメージは、今でいうEvernoteのようなアプリを連想させます。
この論文が書かれたの1945年ですよ。昭和20年ですよ。こんな思想が半世紀以上前にあったんです。

ブッシュの他にもウインドウやアイコンのようなインターフェースを実現したエンゲルパート、電子マネーや暗号通貨につながる概念に言及したケオーなどIT技術の原点を見ることができると思います。

敷居が高いと感じるなら著者のまえがきだけでも読んでみることをおすすめします。
7人の研究者についてわかりやすくまとめている上にコンピュータの発展について時系列順で解説されているため、ここだけでもパソコンの歴史を語った本として良書!


■この本から学んだこと
・「パソコン」に関するの概念はパソコンそのものが生まれるよりもずっと昔に語られていた。
・ある分野に対し、真面目に知識をつけようと思うなら原点は避けられない。特に学術的な分野はなおさら。


≪目次≫
まえがき 思想としてのパソコン
1 われわれが思考するごとく
2 コンピュータと知能
3 ヒトとコンピュータの共生
4 ヒトの知能を補強増大させるための概念フレームワーク
5 インタラクティブ・システムとバーチャリアリティ設計
6 協調活動の設計における言語/行為パースペクティブ
7 サイバースペースの陥穽

思想としてのパソコン

思想としてのパソコン

書評その4:「フランス人は10着しか服を持たない」

『フランス人は10着しか服を持たない』
著者:ジェニファー・L・スコット
発行日:2014/10/30
評価:★★★★★
所要時間:2時間
読破冊数:4/100冊

■こんな人におすすめ
・「かっこいい生き方がしたい」となんとなく思っている
・毎日がつまらない
・金遣いが荒い
・毎月気がつくと財布がピンチ
・安いからといっていつも100均とかで余分なものを買っちゃう

■概要
著者はフランスに留学経験があり、そこで出会ったホストマザー「マダム・シック」に感銘を受け、シックな生き方について発信し続けている人です。
物質主義に踊らされず、必要なものだけを買い、こだわりを持って暮らす。断捨離とかミニマリストとかよりは手を出しやすい領域かも。

全てのフランス人がマダム・シックみたいな生活をしているわけじゃないだろうけど、やっぱりこだわりを持って生きている人はどこか芯が通っていてかっこいいのだなぁという印象。
自分の場合、金遣いの荒い友人がいるし、ダイソーで雑貨を衝動買いしてはクローゼットのこやしにしてるから余計にね。。。

著者はアメリカ人です。アメリカも物質主義の国だからそこから来ればそらインパクトは強いですよ。翻訳のせいかも知れないけど、文体が終始テンション高めなんですもん。

個人的には日本ってアメリカと同じがそれ以上に大量生産&大量消費が根付いているので書かれていることを全部実践するのは難しいと思います。
とりあえず自分はiPodのイヤホンを100円ショップで買うのをやめました。ミクロすぎることだけど、いいものを長く使うことを意識し始めました。
自分の生活を見直すきっかけになる本なので浪費家の自覚がある方はどうぞ!

■この本から学んだこと
・買い物は、「今」必要な分だけ買う
・小腹が空いてお菓子を食べるくらいなら、我慢して夕食にいい材料を食う
・「安物買いの銭失い」はかっこ悪い
・小さなことでもこだわりをもてば、楽しみがいたるところにあることがわかる。

≪目次≫
まえがき
1 間食はシックじゃない
2 食べる喜びを我慢しない
3 面倒がらずに体を動かす
4 10着のワードローブで身軽になる
5 自分のスタイルを見つける
6 ノーメイクみたいにメイクする
7 いつもきちんとした装いで
8 女らしさを忘れずに
9 いちばん良い持ち物をふだん使いにする
10 散らかっているのはシックじゃない
11 ミステリアスな雰囲気を漂わせる
12 物質主義に踊らされない
13 教養を身につける
14 ささやかな喜びを見つける
15 質の良さにこだわる
16 情熱をもって生きる

フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質

フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質"を高める秘訣~

書評その3:「ウェブ進化論」

ウェブ進化論
著者:梅田望夫
発行日:2006/2/10
評価:★★★★☆
所要時間:3時間
読破冊数:3/100冊

■こんな人におすすめ
・インターネットの発達がどんな変化を社会にもたらしたか、今さら聞けないけど詳しく知りたい人
・「Googleってどんな会社?」な人
・「Amazonってどんな会社?」な人

■概要
2006年のはじめに出た本です。当時はライブドアがフジテレビを買収しようとしたり、楽天プロ野球に参入したりと、IT業界、特にウェブサービスが注目され始めていました。ブログ、アフィリエイトオープンソースなんて言葉も有名になり始めたのはこのぐらいの時期だったんじゃないでしょうか。


そんな風にIT企業が注目され、情報化社会が進むにつれて人々の考え方も変わってきていました。この本はその変化が起こり始めた時期に、当時から注目されていたGoogleAmazonを中心に、これらの会社が持つ理念(考え方?)を紹介しつつ、今後の変化を予測しています。


個人的に特に面白かったのが、Amazonの販売戦略などに見られる「ロングテール」の概念。この本を読むまでは聞いたことがある程度のものだったんですか、とてもわかりやすく説明してくれています。
各一冊しか売れていない本たちの売上をかき集めればバカにならない金額、というのは理解できてもAmazonが台頭する以前の大型書店のほとんどはマイナーな本を取り揃えようと思っても、コストや店のスペースを考えれば実行に移すことはできなかったでしょう。
しかしインターネットがその問題を一気に解消しました。今では本も含め大抵のものはネットショッピングで手に入ってしまいますが、「こんなもん売れるの?」と言われる商品があることが大きな強みであり、Amazonが急成長した理由の一つはそこに早くから注目したからです。


インターネットが流行り始めて約10年たってこの本が出版され、現在さらに10年が経過しました。「ロングテール」以外にもこの本で紹介されている価値観や企業たちの理念が今どんな変遷を遂げているか、を考えてみると更なる進化の先が見えてくるかも。。。


■この本から学んだこと
AmazonGoogleで働いていた人たち(経営陣含む)の考え方
・1990~2000年代のIT化で何が変わったか

≪目次≫

まえがき  ウェブ社会―本当の大変化はこれから始まる
1 「革命」であることの真の意味
2  グーグル――知の世界を再編成する
3 ロングテールWeb 2.0
4 ブログと総表現社会
5 オープンソース現象とマス・コラボレーション
6 ウェブ進化は世代交代によって
7  脱エスタブリッシュメントへの旅立ち

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

書評その2:「人間の覚悟」

『人間の覚悟』
著者:五木寛之
発行日:2008/11/20
評価:★★★★☆
所要時間:3時間
読破冊数: 2/100冊


■こんな人におすすめ
・最近、時代の変化についていけないと感じている人
・将来に漠然と不安を感じている人
・生きることに、なんとなく疲れている人


■概要
2008年に新書として発行された本なんですが、今でも十分に読まれる価値のある本だと思います。当時は秋葉原の連続殺傷事件や、10年連続で自殺者が3万人を超えたという記事が新聞の一面を飾るなど鬱屈とした雰囲気の報道が多いように感じました。著者の五木さんは当時を「『地獄』へ向かって~」と表現しており、時代が下り調子にあることを強調しています。

その中で発行された本書が伝えているのは、「あきらめる」こと。

これはネガティブな意味では使われてはいません。筆者曰く、「明らかに究める」こと。今自分の生きている時代が上り調子なのか下り調子なのかを見極め、自分にできることとできないことを判断することです。

自分の力ではどうしようもないことを無理にやろうとして失敗したり悩んだりするよりは、まず今の状況でできることに目を向けることが大事、ということだと勝手に解釈してます。

発行から10年たった現在でも、この「明らかに究める」視点は持っておいて損はないと思います。
社会が上り調子にあると感じている人も下り調子にあると感じている人も(後者がほとんどだと思いますが)一度読んでみては如何でしょう?


■この本から学んだこと
・自分の力ではどうしようもないと感じた時は一旦置いて自分のできることからはじめる
・あらゆるものは変わり続ける
・とりあえず、生きてることが一番大事


≪目次≫
まえがき
1 時代を見すえる
2 人生は憂鬱である
3 下山の哲学を持つ
4 日本人に洋魂は持てない
5 他力の風に任せること
6 老いとは熟成である
7 人間の覚悟

人間の覚悟 (新潮新書)

人間の覚悟 (新潮新書)

書評その1:「DIGITAL RETRO」

『DIGITAL RETRO』
著者:ゴードン・ライング
発行日:2006/8/1
評価:★★★★☆
所要時間:4時間
読破冊数: 1/100冊

■こんな人におすすめ
・古い電化製品が好き!
・パソコンが「マイコン」と呼ばれていた時代を生きた先輩方
・イギリス製のパソコンに思い入れがある人

■概要
70年代~80年代の主に家庭用のコンピュータを紹介しながら、当時のコンピュータ業界の動向が語られています。語られていると行っても概要レベルですが、イギリスの国営放送であるBBCが家庭用コンピュータを出していた、などのアメリカや日本の本ではお目にかかれない情報が書かれているのは魅力。
ただ、著者がイギリス人なこともあって、日本人でちょっとでも詳しい人が見れば「なんでこれが入ってないんだよ!」と感じるラインナップかもしれません。

でもまぁいいじゃないすか。NES(海外版ファミコン)も紹介されてるし、写真も大きいし、イギリス製のPCに造詣なんか全くなかった自分でもZXスペクトラム(英シンクレア社が1982年に発売したPC。イカす。)にときめいたんだし。。。「デジタルレトロ」な製品が好きな人は中身を読まずに写真集としてみるだけでも楽しいですよ。きっと。

■この本から学んだこと
・「デジタルレトロ」という言葉
・ZXスペクトラムかっこいい!

≪目次≫
省略

DIGITAL RETRO

DIGITAL RETRO

自己紹介

はじめまして。
みんなで本を10,000冊読もうというプロジェクトに参加しているCHEROKEEです。


【10,000冊プロジェクト概要説明】

https://www.evernote.com/shard/s496/sh/90896bd2-7798-42bf-9606-e7a40a1e60ff/347fc824327cd0cb01603f9943968f11

Facebook
https://www.facebook.com/10000%E5%86%8A%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88-158302651408728/

このプロジェクトでは読んだ本の内容をシェアするんですけど、気づいたら中身のない駄文を長く書いてしまう自分では読書メーターとかがあわなくて、ブログ開設に踏み切りました。

書く内容は読んだ本の感想とかがメインなんですけど、IT系の技術職をしているのでちょっとジャンルが偏るかも。


よかったら見ていってくださいな。