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10000冊プロジェクトに参加するため、ブログを立ち上げました。読んだ本の感想とか、つらつらあげます。

書評その2:「人間の覚悟」

『人間の覚悟』
著者:五木寛之
発行日:2008/11/20
評価:★★★★☆
所要時間:3時間
読破冊数: 2/100冊


■こんな人におすすめ
・最近、時代の変化についていけないと感じている人
・将来に漠然と不安を感じている人
・生きることに、なんとなく疲れている人


■概要
2008年に新書として発行された本なんですが、今でも十分に読まれる価値のある本だと思います。当時は秋葉原の連続殺傷事件や、10年連続で自殺者が3万人を超えたという記事が新聞の一面を飾るなど鬱屈とした雰囲気の報道が多いように感じました。著者の五木さんは当時を「『地獄』へ向かって~」と表現しており、時代が下り調子にあることを強調しています。

その中で発行された本書が伝えているのは、「あきらめる」こと。

これはネガティブな意味では使われてはいません。筆者曰く、「明らかに究める」こと。今自分の生きている時代が上り調子なのか下り調子なのかを見極め、自分にできることとできないことを判断することです。

自分の力ではどうしようもないことを無理にやろうとして失敗したり悩んだりするよりは、まず今の状況でできることに目を向けることが大事、ということだと勝手に解釈してます。

発行から10年たった現在でも、この「明らかに究める」視点は持っておいて損はないと思います。
社会が上り調子にあると感じている人も下り調子にあると感じている人も(後者がほとんどだと思いますが)一度読んでみては如何でしょう?


■この本から学んだこと
・自分の力ではどうしようもないと感じた時は一旦置いて自分のできることからはじめる
・あらゆるものは変わり続ける
・とりあえず、生きてることが一番大事


≪目次≫
まえがき
1 時代を見すえる
2 人生は憂鬱である
3 下山の哲学を持つ
4 日本人に洋魂は持てない
5 他力の風に任せること
6 老いとは熟成である
7 人間の覚悟

人間の覚悟 (新潮新書)

人間の覚悟 (新潮新書)