書評その3:「ウェブ進化論」
『ウェブ進化論』
著者:梅田望夫
発行日:2006/2/10
評価:★★★★☆
所要時間:3時間
読破冊数:3/100冊
■こんな人におすすめ
・インターネットの発達がどんな変化を社会にもたらしたか、今さら聞けないけど詳しく知りたい人
・「Googleってどんな会社?」な人
・「Amazonってどんな会社?」な人
■概要
2006年のはじめに出た本です。当時はライブドアがフジテレビを買収しようとしたり、楽天がプロ野球に参入したりと、IT業界、特にウェブサービスが注目され始めていました。ブログ、アフィリエイト、オープンソースなんて言葉も有名になり始めたのはこのぐらいの時期だったんじゃないでしょうか。
そんな風にIT企業が注目され、情報化社会が進むにつれて人々の考え方も変わってきていました。この本はその変化が起こり始めた時期に、当時から注目されていたGoogleやAmazonを中心に、これらの会社が持つ理念(考え方?)を紹介しつつ、今後の変化を予測しています。
個人的に特に面白かったのが、Amazonの販売戦略などに見られる「ロングテール」の概念。この本を読むまでは聞いたことがある程度のものだったんですか、とてもわかりやすく説明してくれています。
各一冊しか売れていない本たちの売上をかき集めればバカにならない金額、というのは理解できてもAmazonが台頭する以前の大型書店のほとんどはマイナーな本を取り揃えようと思っても、コストや店のスペースを考えれば実行に移すことはできなかったでしょう。
しかしインターネットがその問題を一気に解消しました。今では本も含め大抵のものはネットショッピングで手に入ってしまいますが、「こんなもん売れるの?」と言われる商品があることが大きな強みであり、Amazonが急成長した理由の一つはそこに早くから注目したからです。
インターネットが流行り始めて約10年たってこの本が出版され、現在さらに10年が経過しました。「ロングテール」以外にもこの本で紹介されている価値観や企業たちの理念が今どんな変遷を遂げているか、を考えてみると更なる進化の先が見えてくるかも。。。
■この本から学んだこと
・AmazonやGoogleで働いていた人たち(経営陣含む)の考え方
・1990~2000年代のIT化で何が変わったか
≪目次≫
まえがき ウェブ社会―本当の大変化はこれから始まる
1 「革命」であることの真の意味
2 グーグル――知の世界を再編成する
3 ロングテールとWeb 2.0
4 ブログと総表現社会
5 オープンソース現象とマス・コラボレーション
6 ウェブ進化は世代交代によって
7 脱エスタブリッシュメントへの旅立ち
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/02/07
- メディア: 新書
- 購入: 61人 クリック: 996回
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書評その2:「人間の覚悟」
『人間の覚悟』
著者:五木寛之
発行日:2008/11/20
評価:★★★★☆
所要時間:3時間
読破冊数: 2/100冊
■こんな人におすすめ
・最近、時代の変化についていけないと感じている人
・将来に漠然と不安を感じている人
・生きることに、なんとなく疲れている人
■概要
2008年に新書として発行された本なんですが、今でも十分に読まれる価値のある本だと思います。当時は秋葉原の連続殺傷事件や、10年連続で自殺者が3万人を超えたという記事が新聞の一面を飾るなど鬱屈とした雰囲気の報道が多いように感じました。著者の五木さんは当時を「『地獄』へ向かって~」と表現しており、時代が下り調子にあることを強調しています。
その中で発行された本書が伝えているのは、「あきらめる」こと。
これはネガティブな意味では使われてはいません。筆者曰く、「明らかに究める」こと。今自分の生きている時代が上り調子なのか下り調子なのかを見極め、自分にできることとできないことを判断することです。
自分の力ではどうしようもないことを無理にやろうとして失敗したり悩んだりするよりは、まず今の状況でできることに目を向けることが大事、ということだと勝手に解釈してます。
発行から10年たった現在でも、この「明らかに究める」視点は持っておいて損はないと思います。
社会が上り調子にあると感じている人も下り調子にあると感じている人も(後者がほとんどだと思いますが)一度読んでみては如何でしょう?
■この本から学んだこと
・自分の力ではどうしようもないと感じた時は一旦置いて自分のできることからはじめる
・あらゆるものは変わり続ける
・とりあえず、生きてることが一番大事
≪目次≫
まえがき
1 時代を見すえる
2 人生は憂鬱である
3 下山の哲学を持つ
4 日本人に洋魂は持てない
5 他力の風に任せること
6 老いとは熟成である
7 人間の覚悟
- 作者: 五木寛之
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/11/01
- メディア: 新書
- 購入: 13人 クリック: 123回
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書評その1:「DIGITAL RETRO」
『DIGITAL RETRO』
著者:ゴードン・ライング
発行日:2006/8/1
評価:★★★★☆
所要時間:4時間
読破冊数: 1/100冊
■こんな人におすすめ
・古い電化製品が好き!
・パソコンが「マイコン」と呼ばれていた時代を生きた先輩方
・イギリス製のパソコンに思い入れがある人
■概要
70年代~80年代の主に家庭用のコンピュータを紹介しながら、当時のコンピュータ業界の動向が語られています。語られていると行っても概要レベルですが、イギリスの国営放送であるBBCが家庭用コンピュータを出していた、などのアメリカや日本の本ではお目にかかれない情報が書かれているのは魅力。
ただ、著者がイギリス人なこともあって、日本人でちょっとでも詳しい人が見れば「なんでこれが入ってないんだよ!」と感じるラインナップかもしれません。
でもまぁいいじゃないすか。NES(海外版ファミコン)も紹介されてるし、写真も大きいし、イギリス製のPCに造詣なんか全くなかった自分でもZXスペクトラム(英シンクレア社が1982年に発売したPC。イカす。)にときめいたんだし。。。「デジタルレトロ」な製品が好きな人は中身を読まずに写真集としてみるだけでも楽しいですよ。きっと。
■この本から学んだこと
・「デジタルレトロ」という言葉
・ZXスペクトラムかっこいい!
≪目次≫
省略
- 作者: ゴードンライング,Gordon Laing,森美樹
- 出版社/メーカー: トランスワールドジャパン
- 発売日: 2006/08
- メディア: 大型本
- 購入: 1人 クリック: 6回
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自己紹介
はじめまして。
みんなで本を10,000冊読もうというプロジェクトに参加しているCHEROKEEです。
【10,000冊プロジェクト概要説明】
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このプロジェクトでは読んだ本の内容をシェアするんですけど、気づいたら中身のない駄文を長く書いてしまう自分では読書メーターとかがあわなくて、ブログ開設に踏み切りました。
書く内容は読んだ本の感想とかがメインなんですけど、IT系の技術職をしているのでちょっとジャンルが偏るかも。
よかったら見ていってくださいな。