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10000冊プロジェクトに参加するため、ブログを立ち上げました。読んだ本の感想とか、つらつらあげます。

書評その10:「今日のアメリカ映画」

『今日のアメリカ映画』
著者:双葉十三郎
発行日:1952/5/30
評価:★★★★★
所要時間:3時間
読破冊数: 10/100冊

■こんな人におすすめ
・1940~50年代のアメリカ映画が好きな人

■概要
旅行先の古書店で発掘しました。もう図書館とか古本屋でしか見られない本なのでシェアしようか迷ったんですが、読書メモも兼ねて書いておきます。

1951~52年に公開されたアメリカ映画の批評をしている本です。

1章で当時のアメリカ映画の傾向をざくっと紹介してますが、SF映画を語ってるところが面白い。

当時は元祖「遊星からの物体X」や「地球の静止する日」が発表された次期であり、文章からは、今後は科学考証とかを適当にしたゲテモノ趣味の映画が増えてくるんだろうなぁという著者の嘆きが聞こえてきそうです。
「アフリカの人喰い土人のかわりに、得体の知れない他星人(?)をもってくればいいのだから話は簡単である。」と、ストーリーよりビジュアル重視になった当時の傾向を皮肉ってます。でもこういう土壌から「エイリアン」とか「プレデター」が生まれたのかと考えると無視できない歴史だよなぁとも思います。

個人的に好きだったのは上記の部分だけど、本書のメインは当時注目されていた8人の名優(ジョン・ウェイングレゴリー・ペックカーク・ダグラスダニー・ケイジーン・ケリーベティ・ハットンパトリシア・ニールエヴァ・ガードナー)&3人の監督(ダリル・F・ザナック、デヴィッド・O・セルズニック、サミュエル・ゴールドウィン)に対する批評です。本人のバックグラウンドから作品まで本当に懇切丁寧な解説で、1回や2回作品を見ただけではわからないようなところにまで言及してます。映画を見るときの参考書としてこれから重宝しそう。

■この本から学んだこと
・B級SF映画が生まれたのは1940年代後半!(適当)

≪目次≫
まえがき
1 概観
2 作家と作品
3 今日のスタア
4 今日のプロデュウサア
5 戦後五カ年のアメリカ映画