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10000冊プロジェクトに参加するため、ブログを立ち上げました。読んだ本の感想とか、つらつらあげます。

書評その9:「まるわかりFintechの教科書」

『まるわかりFintechの教科書』
著者:丸山隆平
発行日:2016/8/2
評価:★★★★☆
所要時間:3時間
読破冊数: 9/100冊


■こんな人におすすめ
フィンテックについて知りたい
・金融関係の仕事についている人、これからつく人
・金融分野のシステムやサービスに携わるIT企業の人


■概要
「finance(金融)」と「technology(技術)」を合わせた造語である「フィンテック」という概念について解説した本です。
背景や説明を詳しくするよりも実例を多く紹介する方に力を使っている感じ。なので金融にもITにも予備知識がない全くの初心者ならもう一冊入門書が欲しいところ。しかし、予備知識がある程度あるなら、様々な企業の実例が網羅されてるうれしい一冊だと思います。

個人的に面白いなぁと思ったのが、フィンテックのサービスを以下の8分野に分類している箇所。
・融資
・決済
・送金
・投資
・資金調達
・情報管理
・経営・業務支援
・仮想通貨
これは、著者が参考文献をもとにして既存の金融分野に無理矢理当てはめたものです。
でも、ここで著者の言いたいことって分類のことじゃないと思うんです。従来の枠組みで分類するのはまだ無理じゃないか、っていうことが言いたいんじゃないかと。
実際、この8分野を出しておいて、直後に「注目すべきは分類の方法ではなく、実際のサービスの内容と可能性である」とか言っちゃうし。
そりゃ、実際複数の分野にまたがってるサービスもあるし、仮想通貨なんか、当てはめることができずに別だしするしかないし、今後全く新しいサービスが出てくる可能性もあるしで既存のカテゴリに当てはめるのは無理があるってもんでしょう。
こういったことからもフィンテックの今後を楽しみにさせてくれる一冊でした。


■この本から学んだこと
・仮想通貨は斬新なサービスだか、それに用いられている技術は既存のものを組み合わせてできたものである。
フィンテックを既存の枠組みで理解するのは困難
・信用金庫も大手を中心にフィンテックが注目され始めている。


≪目次≫
まえがき
1 銀行法改正のインパクト ー金融庁が思い描く日本版フィンテック
2 仮想通貨ビットコインの実像と、ブロックチェーンの可能性
3 アメリカにおけるフィンテック誕生の背景と実例
4 フィンテックとは何か
5 日本版フィンテックを支えるベンチャー企業
6 国内大手ITベンダーのフィンテックへの取り組み
7 フィンテックに向き合う金融機関の本気度

まるわかり FinTechの教科書

まるわかり FinTechの教科書